高気密高断熱のメリットと仕組み

高気密高断熱住宅では、外気と室内の空気が混ざり合わず、また外気温の影響を受けることが少なくなるので、夏は涼しく冬は暖かい快適な空間を維持できます。室内の空気が逃げないので、冷暖房の効率が高くなり、光熱費を抑えると同時に省エネ効果も期待できるのがメリットです。また、高齢者や持病を持つ家族がいる場合、部屋の温度差が少なくなるのは急激な温度変化によって生じる、ヒートショックを防ぐことにもつながります。高気密高断熱住宅における「断熱」は、室内と屋外とで起こる熱の移動を極力減らすことを意味しています。

壁の中に断熱材を充填する工法や、外壁や屋根など住宅全体に断熱材を張り付ける工法などがあり、日本の住宅では内断熱がほとんどです。外張りと比べて余計なスペースを取らないのが利点ですが、柱や梁との間に隙間があると結露しやすくなり、腐食やカビを招く可能性もあります。高気密高断熱住宅の「気密」は、外の空気が家に入り込まないように外部との隙間が少ないように工夫された住宅のことです。床や天井、壁や窓枠などに隙間を作らないことで、空気のやりとりを少なくし気密性を高めます。

隙間ができないようにするには、精度の高い建築素材を使い、気密テープなどでしっかり隙間をふさぎます。空気の循環が滞るデメリットがありますが、高気密住宅には24時間換気システムを設置するのが義務化されていますので、汚れた空気は手動で換気しなくても入れ替わっていき安心です。